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萌えたら何だって書いてしまう無節操場。
20 . May
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15 . July
リハビリにだかだか書きたかったものでよそ様から勝手に拾ってきましたー。
早速大活躍なポメオ(愛称)。誰ですか恥ずかしいかもとか言ってたのは。ええもう全力で使ってますよ。移動中の電車の中でさえ開いたぜ(鞄で隠しつつだけど)。


【明るいお題で泣くバトン?】
※次のお題で短文を作って下さい。ただし内容はシリアス限定です。

▼花を贈ろう >>>銀妙
▼誰よりも大切な人 >>>新妙
▼太陽の下で >>>フュパメ?
▼傍らの温もり >>>クリウイ
▼幸せな夢を見た >>>黒崎

一部シリアスになりきれなかったものもありますが。
長いので収納~。


花を贈ろう

 無言で目の前に突き出す所を想像してみる。多分受け取るだろう。驚いた顔はするかもしれないけど、受け取るはずだ。そうして聞くんだ。誰にもらったんですか、と。俺が自分で買ったなんて最初から考えもせずにそう言うだろうけど、それが正しいのはたとえばこの懐にある財布がとてもよく現わしているので、別にかまわない。そこはつっこまれても痛くもかゆくもない。その辺りにいくらでも咲いているものをわざわざ金を出して買う奴の気が知れない。しかも野郎が買う場合は絶対の確率で女のためなのだ。

 まぁ、どうしたんですか、これ。
 依頼人の家で栽培してるんだと。
 …まさか現物支給で手を打ったんじゃないでしょうね。
 いいいいいいやいやまさか、ちゃんと依頼料も頂きましたァァァァァ!
 そう。きれいだわ、とても。

 ところで。
 女の目がくるりとこちらを向いたので、思わず息を止める。いい流れだったろ、ここまで。あとは、花瓶に生けてくるとかなんとか言って、そのまま背を向けてくれれば、もう早々にこのブーツを脱ぎ散らかせるのに。

「どうしてこれを私に?」

 ああ、オネーサン、それ聞いちゃうんですね。


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誰よりも大切な人
 
 世界でたった一人よ。
 そう言って姉は目の前で笑った。それはとてもきれいな笑顔で、守りたいとか側にいたいなどというより、ただただみとれていたいと、ずっと眺めていたいと思わせる類のもので、事実僕はみとれていたのだ。身動きも出来ず、まるで喉を塞がれてしまったかのように息まで止めて、ただ姉の顔を見ていた。
 真っ白な洋装の中、浮かんでいる幸せそうな笑顔はもう僕の元から離れてしまうけれど、それでも紅を引いた口で、そのたった一人は僕だと、これから先、何があってもどこにいっても誰になっても、それだけは変わることはないのだと言い切る姉の晴れの日に、僕は笑う事も泣く事も失敗して、噛みしめた唇の端から声を漏らし続けた。


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太陽の下で

 晴天がくるりと取り囲んでいる。太陽を反射してきらきら光る金髪に片目を瞑るように細めると、その顔がおかしかったのか、彼女は声を上げて笑った。
「フューレ!」
「なんだよ」
 少し離れた自分を呼ぶその声は弾んでいて、全力疾走したせいで赤らいだ顔と同じくらいの熱をはらんで届いた。
「すごいよ!早く!きれい!」
 なだらかな丘の頂上に立つ少女は、両手を広げてくるりと回ってみせた。長い髪が踊って、空色の瞳が一瞬こちらを捕らえる。回転に巻き込まれるようにそばへと近づいて、はるか遠くの町並みを眺める彼女の隣に並んだ。
「ね!」
 得意そうに笑う彼女にああ、なんて頷きながら、きっとこれから先ここまできれいだと思える光景に出会うことはないんだろうなとぼんやり思った。


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傍らの温もり

 ふ、と目が覚める。まだ辺りは闇の中で起きるどころかこれから眠りにつく輩だっている時間だと知る。まだ慣れない。
 そもそもこうしてベッドの上できちんと掛布に包まって眠りに付くこと自体経験が少ない。寝返りを打とうと思うも思ったように体は動かせず、ため息が漏れる。そっと指の位置だけをずらして、向こう側に視線をやった。半分ほど入った水差しが見える。ああ、水飲みたいかも。大してのどが渇いているわけではなかったが、多少口の中が潤えば眠りにつきやすくなるかもしれない。そこまで思って、だが結局動けないのだ、と答えが落ち着いた辺りで、ぴくり、と動いた。あ、と思う。指の位置を変えたせいでおかしな圧迫でもしてしまっただろうか。
「ん…クリ、ス……?」
「ごめん、起こした?」
 二人だけの部屋とはいえ、時間のせいかなぜかささやき声になるクリストファに、ウイニアは目をこすりながら首を振った。彼女が身じろぎをする度、クリストファの腕の上で彼女の柔らかい髪がしゅるしゅると音を立てる。
「眠れないの……?」
 ほとんど閉じた瞳のままで尋ねる彼女に軽く笑うと、今度はクリストファが否定した。覗く額に唇を落として、少し腕の力を強めて抱き寄せる。
「ウイニアがいるから大丈夫だよ」
 そう、と柔らかい笑顔を残してまた眠りに落ちていく姿を眺めて、クリストファは彼女の体温に頬を寄せた。


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幸せな夢を見た

 がうん、とけたたましい音が響くと同時にびくりとなったのが分かった。ゆるゆると目を開ければ、見知った古ぼけた天井が見えて、急速に眠りの淵から引きずり出される。頭が重い。体中にかいた汗のせいで、ベッドがまるで水溜めのように感じられる。沈んでいく感覚は錯覚で、眠りに引きずられているわけではない。ずきずきと痛むこめかみを押さえたかったが腕を上げるのがだるい。
 現実にただの一発で死に至るのかは分からない。もしかしたら、あそこで目が覚めなければもっと喰らっていたのかもしれない。惜しい事をした。せめて夢の中でくらいは逝かせてくれてもいいじゃないか、と思った今の自分に舌打ちをする。それでも、目を閉じてしまうのは、ただ起きるのが億劫だからだ。


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お疲れ様でした。最後に次に回す人を指定して下さい。

アンカ!お好きに拾ってやって下さいな。
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